シフト作成と勤怠管理は、障がい福祉事業所の管理者にとって毎月頭を悩ませる業務の一つです。資格要件・人員配置基準・有給休暇の希望・急な欠勤への対応など、考慮すべき条件が多く、Excelや紙ベースで組んでいる事業所では1か月分のシフト作成に半日〜1日かかることも珍しくありません。ここでは生成AIを勤怠管理と連携させる際の進め方をステップ形式で解説します。
ステップ1: 現状のシフト作成プロセスを棚卸しする
まず自事業所がどのようにシフトを組んでいるかを整理します。誰が原案を作り、誰が承認し、どこで手直しが発生しているかを可視化すると、AIが助けられる工程が見えてきます。多くの事業所では「原案作成」に最も時間がかかっており、ここが最初の改善対象になります。
ステップ2: 勤怠データと配置基準をデータ化する
紙の出勤簿や個別のExcelファイルで管理していると、AIに読み込ませる以前にデータが揃っていないという問題が起こります。まずは勤怠実績・希望休・資格情報などをシステム上で一元管理できる状態を作ることが前提条件です。
生成AIにシフト案を作らせる場合でも、法定の人員配置基準や資格要件といった「絶対条件」は事前にルールとして明確にしておく必要があります。曖昧な条件のまま任せると、基準を満たさない案が出力されるリスクがあります。
ステップ3: AIにたたき台を作らせ、管理者が最終調整する
ここが最も工数削減につながる工程です。希望休・配置基準・過去の勤務実績を踏まえた初期案をAIに提示させ、管理者はその案を確認しながら微調整を行います。ゼロから作るのと、たたき台を直すのとでは、体感の負担が大きく異なります。
導入前後の比較イメージ
- 従来: 希望休を一覧化 → 手作業で割り当て → 抜け漏れを目視確認 → 再調整
- 導入後: 希望休・基準を入力 → AIが初期案を提示 → 管理者が例外対応のみ調整
- 削減されやすい工数: 初期案作成にかかる時間の大部分
- 削減されにくい工数: 急な欠勤対応など突発的な調整業務
ステップ4: 勤怠実績との突き合わせで異常値を検知する
シフト予定と実際の打刻データを照合し、乖離が大きい職員や、残業が特定の人に偏っていないかをAIに確認させることもできます。人手で全職員分をチェックするのは負担が大きいため、異常値のスクリーニングを機械的に行わせる価値は高いといえます。
AIが提示するシフト案はあくまで「候補」です。最終的な人員配置の適正性については、必ず管理者が責任を持って確認・承認する体制を維持してください。
ステップ5: 職員への説明と運用の定着
シフトは職員の生活に直結するため、「AIが決めた」という受け取られ方をすると不信感につながりかねません。あくまで管理者の判断を補助するツールであること、最終決定は人が行っていることを丁寧に説明することが定着の鍵になります。
Hope Care AIのシフト・勤怠連携機能については機能一覧で確認できます。料金体系は料金プランをご参照ください。
導入検討中の方は導入までの流れもご覧ください。
シフト作成は「作って終わり」ではなく、勤怠実績・急な変更・法令順守が絡み合う継続的な業務です。生成AIを部分的に組み込むことで、管理者が例外対応や職員とのコミュニケーションに時間を割けるようになる、という視点で導入を検討するとよいでしょう。
監修
株式会社オルデンティアコーポレーション 福祉DXコンサルタント
福祉施設のDX・生成AI活用を専門に支援。本記事は現場の実務課題に基づき執筆・監修しています。