「入力した利用者情報が、AIの学習データとして使われてしまうのではないか」——生成AIの導入検討時に、現場の職員から最も多く挙がる不安のひとつがこれです。この懸念は決して過剰反応ではなく、生成AIの仕組みを踏まえれば当然生まれる疑問といえます。ここではQ&A形式で、事業所が押さえておくべき考え方を整理します。
Q1. 生成AIに入力した情報は、本当にAIの「学習」に使われるのですか
A. サービスの提供形態によって大きく異なります。一般消費者向けに無料で提供されている生成AIチャットサービスの中には、規約上、入力内容をモデルの改善・学習に利用する場合があると明記しているものがあります。一方で、法人向け・業務用に提供されているサービスでは、契約上「入力データを学習に利用しない」ことを明示しているケースが一般的になってきています。
職員が個人のスマートフォンで一般公開されている無料の生成AIアプリを使い、業務メモとして利用者の状態を入力してしまう「シャドーAI利用」が、学習データ流出の最大のリスク要因になり得ます。事業所として正式に導入したツール以外の利用を、就業規則やガイドラインで明確に制限することが対応の第一歩です。
Q2. 「学習に利用しない」という説明は、どこまで信頼してよいのですか
A. 説明を鵜呑みにするのではなく、次のような一次情報で確認する姿勢が重要です。
- 利用規約・データ処理に関する契約書に明記されているか
- 管理画面上でオプトアウト設定が確認できるか
- 第三者認証(ISO27001、ISMSクラウドセキュリティ認証など)を取得しているか
- 問い合わせをした際、担当者から具体的な根拠を示した回答が得られるか
Q3. 学習データへの利用を懸念して、生成AI自体の導入を見送るべきでしょうか
A. 一律に導入を見送るのではなく、リスクの所在を切り分けて考えることをおすすめします。学習データへの利用リスクは「サービスの選定」と「入力する情報の設計」の両方で軽減できる性質のものです。
| リスク軽減の切り口 | 具体的な対応例 |
|---|---|
| サービス選定 | 学習利用しないことを契約で担保している法人向けサービスを選ぶ |
| 入力情報の設計 | 氏名・生年月日など直接個人を特定できる情報を入力しない運用にする |
| 職員教育 | 要配慮個人情報の入力を避けるべき理由と具体例を研修で共有する |
| 技術的対策 | 入力前にマスキング・匿名化を行う仕組みを業務フローに組み込む |
Q4. すでに他社の生成AIサービスを使ってしまった後で、懸念が発覚した場合はどうすればよいですか
A. まずは当該サービスの規約を確認し、入力済みデータの削除依頼が可能かどうかを問い合わせることが考えられます。あわせて、同様の入力を今後行わないよう運用ルールを見直し、必要であれば管理者・監督官庁への相談も検討してください。個別の対応方針については、個人情報保護に詳しい専門家に確認することが望ましいでしょう。
学習データ利用の懸念は「怖いから使わない」ではなく「仕組みを理解したうえで選ぶ」ことで解消に近づきます。福祉・介護分野向けに設計されたサービスであれば、業界特有のリスクを踏まえた設計がなされているかを確認する視点も重要です。
Hope Care AIは福祉・介護事業所向けに特化して設計されており、データの取り扱い方針についてもセキュリティのページで公開しています。サービスの特徴は特徴紹介のページもご参照ください。
セキュリティのページで詳細をご確認いただけます。
監修
株式会社オルデンティアコーポレーション 福祉DXコンサルタント
福祉施設のDX・生成AI活用を専門に支援。本記事は現場の実務課題に基づき執筆・監修しています。
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